「認知的不協和に陥る」とは,つまりどうゆうことか?

認知的不協和
認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。(Wikipediaより引用)

認知的不協和とは、「自分の考え方や行動とは違う,『新しい事実』を突きつけられると,不快な感情を抱くため,自分の考え方や行動と,『新しい事実』のどっちかを否定することで,矛盾を解消しようとする心理」のことを言います。

人は,自分の考え方や行動を変えることが困難な生き物なので,多くの場合,『新しい事実』の方を否定しようとします。

この、矛盾する2つの事実を知ってしまった時に,自分にとって不都合な方の事実を変えようとする心理を「認知的不協和の解消」といいます。

一例を挙げて、考えてみましょう。

人は,ある商品を購入した後,下記2つの認知を抱きます。

・「自分の選択は正しかった」という認知
・「その商品は良い」という認知

上記2つの認知は,協和するということになりますね。

ただ,その後,「その商品はあまり良くない」という『新しい事実』を知ってしまうと,不協和を起こす(認知的不協和に陥る)ことになります。

人は,認知的不協和に陥ると下記のような行動を起こすようになります。

・商品購入後に「その商品は良い物です。」「その商品は優れている。」という情報を積極的に求めるようになる
・「その商品は良くない」という情報を得てしまった時は,「その商品を買った自分の選択は正しかったと証明できる情報を探すようになる

このような認知のゆがみは、つまり、「自分の都合がいいように物事を考えている」「対峙すべき課題から避けている(=現実から目を背けている)」とても不健全な状態です。

あなたは,認知的不協和に陥ってはいませんか?
あなたの周りに,認知的不協和に陥っている人,いませんか?

あなたが,自分の考え方や行動とは違う『新しい事実』のほうが,どう考えても正しいと判断できた場合で,自分の考え方や行動を否定し,『新しい事実』を受け入れて「認知的不協和の解消」ができるような精神状態であるのならば,『新しい事実』を認めることが必要だと思います。

認知的不協和の解消をうまく活用することで,日々を過ごしやすくなります。

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